1時間200円の動画編集環境(ベンチマーク編)
DaVinci Resolve用の動画編集環境を構築したAWS EC2(OSはAmazon Linux 2)の性能を測定してみる。
性能測定ソフト
DaVinci Resolveそのものを使った動画編集環境の性能測定方法として以下の2つがあるようだ。
PugetBenchの方がより正確に測定できそうだが・・・Windows版しかないので使えず。今回はStandard Candle Benchmarkを使って測定する。
Resolve Standard Candle Benchmark
このBenchmark手法は2014年ころ(DaVinci Resolve 11時代?)からある古いもののようだが・・・2019年頃のredditの投稿に以下のコメント(本文は英語)がある。
多くのYouTuberがResolveのGPUパフォーマンスを測定するためにエクスポートエンコード時間を使用していますが、プロジェクトエンコードはコーデック、CPU、ハードディスクなど多くの異なる変数に影響されるため、あまり良い指標ではありません。
ResolveのGPUパフォーマンスを測定する事実上のツールは、何年も前に作成されたStandard Candleテストであり、カラー/テンポラルノイズリダクションノードを使用してGPUに大きなストレスを与えています。Resolveはノードベースなので、これは性能のための実用的なテストです。
ベンチマークと各種スコアについては、こちらのLift Gamma Gain pro coloristフォーラムのスレッドをご覧ください。
プロジェクトをインポートし、Resolveで映像を再リンクしたら、映像のサムネイルを右クリックして実行したいテストを選択することで、様々なテストをロードすることができます。再生ウィンドウでFPSが安定したらカウントし、各設定をスコア化します。設定で最大フレームレートを999など高いものに設定しておくこと。
「GPUパフォーマンスを測定するツール」ということだが・・・動画編集環境の快適さはそれ以外のCPUやメモリ量も影響するので・・・とりあえず参考程度にはなりそうなので計測してみることにしよう。なお、上記の「設定で最大フレームレートを999など高いものに設定しておくこと。」は、以下のプロジェクトの設定「Master Settings - Timeline Format」の「Playback frame rate」の値のことを指すようだ。
測定に使うデータは・・・このスレッドの最初の書き込みにDaVinci Resolveのプロジェクトファイルとmovファイルへのリンクが書かれているが既に存在せず。スレッドの書き込みを追っていくと・・・現状はこの書き込みにリンクされているこのファイルが使えそうだ(2022/3/9時点)。
測定方法
- プロジェクトファイルを読み込み、リンク切れのClipをダウンロードしたmovファイルへリンクさせる。
- Colorページの中央ペインのタイムラインを右クリックし、メニューから「09 Blur nodes → load」や「18 Blur nodes → load」を実行後に動画を再生する。
- プレビューエリアのタイムライン名の左に表示されるフレームレート値を記録する
測定結果
Resolve Standard Candle Benchmarkの最近の書き込みと比較してみると・・・MacBook Pro M1 Pro/Maxを少し上回るくらいの性能だろうか。
OS: Amazon Linux 2 CPU: 2nd Generation Intel Xeon Scalable Processors (Cascade Lake) 2.5GHz 16vCPU GPU: NVIDIA T4 16GB Memory: 64GB DaVinci Resolve: DaVinci Resolve Studio 17.4.5 09 Blur - 58 fps 18 Blur - 32 fps 30 Blur - 19 fps 66 Blue - 9 fps 1 TNR - 87 fps 2 TNR - 43 fps 4 TNR - 22 fps 6 TNR - 15 fps
なお、EC2のインスタンスタイプをg4dn.4xlargeからg4dn.8xlarge(32vCPU 128GB Memory)へ変更して測定してみたが、GPU数や性能が同一のため、数値はほぼ変わらなかった(4xlargeに比較して0~2程度fpsが高い程度)。4 GPUのg4dn.12xlargeや8 GPUのg4dn.metalを選べば・・・マルチGPUに対応しているStudio版を使って測定しているので、大きな変化があるのかもしれない(後日測定してみよう)。